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だからこそ動物と人間が「共生」出来る制度や支援もまた必要になってくるのでは無いかと思います。
来る日も来る日も…猫を処分 「自分は悪くない」心押し殺した職員
https://news.yahoo.co.jp/articles/681e5bd71b318adab7cf596bab0aab09d233b242
(出典 amd-pctr.c.yimg.jp)
西日本新聞
福岡市東部動物愛護管理センターに収容された雄のムギ(右)と雌のギチャのきょうだい猫。ミルクボランティアに預けられ、すくすくと育っている
コロナ禍でペットを飼う人が増えている。人と会うことが制限される息苦しさをペットは優しく癒やす。その陰で、全国で数万匹の犬や猫が毎年処分されている。私たちの社会はペットに優しいだろうか。愛猫家の一人として、人と猫、命が向き合う現場を訪ね、考えた。
【写真】動物愛護管理センターにある「簡易処分機」
コンクリートむき出しの殺風景な一室を薄暗い蛍光灯が照らす。職員が「簡易処分機」のふたを開け、中に段ボールの箱を置いた。ふたを閉じ、3カ所の留め具と排水用バルブを閉め、緑色の「運転」ボタンを押す。シュー、と音がした。
福岡市東区にある市東部動物愛護管理センター。段ボール箱の中には生後2週間ほどの子猫がいた。成猫や犬は獣医師が薬剤を注射して「安楽殺」する。だが四肢が細くて血管の取れない子猫は職員が処分機に入れてガスを使う。
本来は麻袋に入れる。段ボール箱のままなのは、呼吸量の少ない子猫に早くガスを吸わせ、少しでも苦しむ時間を短くするため。職員のせめてもの配慮だ。
およそ10分後、職員がふたを開けた。トラ模様の亡きがらは片手に収まるほど小さかった。まだ柔らかく、温かい。段ボール箱の底に敷いたペットシートにはおしっこの染みができていた。遠くの犬舎から収容犬の鳴き声が聞こえた。
勤続40年、小中学校で伝える生命
許しがほしかった。来年で勤続40年。同センターに入所して、来る日も来る日も、猫を処分し、犬を処分した。すぐに心を病んだ。
一度だけ、処分寸前の犬3匹を機械の陰にかくまって育てたことがある。1カ月で上司に見つかった。担当を変わるよう命じられたが、申し出て自分の手で処分した。以来、自分は機械の一部だと思うことにした。「自分は悪くない」。そう言い聞かせた。
1999年、動物愛護管理法が大幅改正されセンターは「共生」に取り組む施設に変わった。人と動物の調和、啓発。業務は新しくなり、犬や猫を収容する条件は厳しくなり、処分数は激減した。だがその変化に気持ちが追いつかない。ずっと心を押し殺して仕事をしてきた。あれはいったい何だったのか。あの犬や猫たちは無駄死にか。再び精神科に通うようになった。